Anthropicの説明によると、Dashboardsは平易な言葉で質問すると、Claudeがデータを検索(クエリ)して、ダッシュボードを組み立ててくれる機能だ。ダッシュボードとは、売上や件数などの数字をグラフや表で一画面に並べた「見える化」のページのことだ。
特徴は、一度作って終わりではない点にある。Anthropicによると、元のデータが変わると、それに合わせて内容も最新に保たれる。つなげるデータ基盤として、Amazon Redshift、BigQuery、ClickHouse、Databricks、Snowflakeが挙げられている。さらに、Salesforceの商談データのようなCRM系のコネクタでも使えるとされる。
「AIが作った数字を信じてよいのか」という不安に対しては、確認の仕組みが用意されている。公式の説明では、画面上の数字をクリックすると、その数字の元になったクエリ(データへの問い合わせ文)が見られ、Claudeに内容の説明を頼むこともできる。各グラフには最後にデータを更新した時刻も表示される。
| 項目 | Claude Dashboards | Claude Motion |
|---|---|---|
| 状態 | ベータ | ベータ |
| 対象プラン | 有料プラン | TeamとEnterpriseのみ |
| できること | 質問からライブ更新のダッシュボードを作る | レポートやグラフを短いアニメにして、MP4で書き出す |
| 仕組み | データ基盤・CRMにクエリして作成 | 文字・図形・画像・グラフ・タイミングを動かす編集可能なコード |
| 確認のしやすさ | 数字をクリックで元のクエリを表示 | 文言・数値・タイミングをダウンロード前に修正可能 |
| 呼び出し方 | Claudeで質問する | メッセージ欄に「/motion」と入力 |
| Enterpriseの初期設定 | オフ(管理者が有効化) | オフ(管理者が有効化) |
※ Anthropic公式の解説記事(claude.com)およびTestingCatalogの報道に基づく。
もう一つのMotionは、プロンプト(指示文)から、短い動画のように再生されるアニメーションを作る機能だ。レポートの要点、グラフ、製品の使い方の説明などを、動く説明動画にまとめる用途が想定されている。
最大の特徴は、作り方にある。Anthropicによると、Motionは文字・図形・画像・グラフを動かすコードでアニメーションを作る。いわゆる動画生成AIは使っておらず、公式は「生成された映像や、AIが作った人物は出てこない」と説明している。そのため、言葉・数字・タイミングを後から直せる。エディタで手直しすることも、Claudeに修正を頼むこともでき、完成したらMP4でダウンロードできる。
動画生成AIの出力は「一部だけ直したいのに、最初から作り直しになる」ことがある。数字の入った資料説明のように正確さが大事な動画では、コードで作る方が直しやすいという考え方だと読める。ただし、実際の仕上がりや使い勝手は、独立した検証がまだ見当たらない。
使えるプランは機能ごとに異なる。Dashboardsは有料プラン、MotionはTeamとEnterpriseに限られる。一方、同日にベータを終えたDocs・Slides・Designは、Freeを含む全プランで使えるとされている。Anthropicは、Claudeで作られた文書・スライド・デザインが4,500万件を超えたと説明しているが、この数字は既存の形式のもので、今回のベータ機能の利用を示すものではない。
| 機能 | 対象プラン | 書き出し先(今すぐ) | 書き出し先(近日対応) |
|---|---|---|---|
| Dashboards | 有料プラン(ベータ) | Amplitude、Grafana、Hex、Mixpanel、Omni、Perplexity、PostHog、Sigma | Looker、monday.com、Tableau |
| Motion | Team/Enterprise(ベータ) | Adobe、Descript、HeyGen、Higgsfield、invideo、Luma AI、Runway | Canva、Captions |
| Docs/Slides/Design | Freeを含む全プラン(正式版) | 公式解説記事に書き出し先の記載なし | − |
※ 書き出し先の一覧はAnthropic公式の解説記事に基づく。「近日対応」は公式が「coming soon」と記載しているもので、時期は示されていない。
なお、日本のユーザーにとって身近なTableauとLookerは、今のところ「近日対応」の扱いだ。すでに社内でTableauなどを使っている場合、Dashboardsの結果を直接渡せるようになるのは今後になる。
会社で使う場合、設定は管理者が握る。Anthropicによると、Enterpriseではダッシュボードとモーションは初期状態でオフで、管理者が「組織設定 → Artifacts」から有効にする必要がある。
一方、Docs・Slides・Designは、Enterpriseで2026年10月15日から初期状態でオンになると報じられている。詳しい適用条件は、管理者向けの公式案内で確認したい。
もう一つ見逃せないのが、単体の「Claude Design」サイトが2026年12月14日に終了するという点だ。それまでは claude.ai/design で使えるが、終了後はClaude本体に転送される。デザインシステムは、Artifactsのページから今のうちに移行できる。一方で、単体版でのチャットやコメントは引き継がれないとされ、公開プロジェクトのリンクも同様だと報じられている。単体版を使っている人は、必要なものを早めに控えておきたい。
| 項目 | 内容 | 状況 |
|---|---|---|
| 機能・対象プラン・接続先 | Anthropic公式の解説記事に記載あり | 公式で確認 |
| 数字の根拠の確認 | 数字クリックで元クエリ、グラフごとの更新時刻を表示 | 公式で確認 |
| データ量・クエリ回数・更新頻度の上限 | 公開情報では数値が示されていない | 未確認 |
| アニメーションの長さの上限 | 公開情報では示されていない | 未確認 |
| コネクタ利用時の法務・コンプライアンス条件 | 公式解説記事には記載なし | 未確認 |
| 実際の精度・使い勝手 | 第三者による独立した検証は見当たらない | 検証待ち |
※ 公式解説記事の記載内容に基づく整理。「未確認」は、当方が参照した公開情報では確認できなかったという意味で、存在しないという意味ではない。
今回の発表は、Claudeが文章を書くだけでなく、数字をグラフで見せる、動く説明資料に仕立てるところまで手を広げたことを示している。しかも、数字の元クエリを見せる、動画をコードで作って後から直せるようにするなど、「あとから確認・修正できること」に重きを置いた設計だ。
一方で、どちらもベータで、上限や実際の精度には不明な点が多い。まずは社内で許可された範囲の小さなデータから試し、元クエリを見ながら結果を確かめる使い方が現実的だろう。続報や第三者の検証が出た段階で、改めて整理したい。
参考リンク: Claude公式解説記事 / TestingCatalog